愛と執着の境界が曖昧に感じて、どこか苦しくなる小説3選

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今回は、読後に少しモヤモヤが残る小説を3冊紹介します。

人の感情を丁寧に読みたい

少し刺激がある小説を読みたい…

という方に特におすすめしたい小説を集めました。

  • 愛が重め
  • 執着が強い
  • 読んだあとのすっきり感が薄い

小説を選びました。

気になる本があれば、ぜひ読んでみてください。

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恋愛中毒:山本文緒

1冊目に紹介するのが「恋愛中毒」です。

この物語は、ある男性が元交際相手から半ばストーカーのような行為を受けて悩んでいる場面から始まります。

そして、物語が進むにつれて「恋愛」の危うさが浮き彫りになっていきます。

この小説は恋愛小説が苦手な方でも読みやすい、少し変わった小説だと思いました。

読み始めはじめは、

ちょっとのめりこみすぎじゃ…

と一歩引いた角度で読んでいたのですが、読み進めるにつれて、

  • 自分と相手の境界が曖昧になっていく感覚
  • もう引き返せないという怖さ

がじわじわと感じられます。

そして、その世界に引き込まれながらも、主人公がどこか客観的に物事を見ている様子に不気味な印象を持ちました。

前に進んでも後ろに戻っても「よくなる気配が見えない」

そんな静かな暗さに包まれている物語です。

主人公の心境のすべてに共感することはできませんが、「夢中になると相手を中心に動いてしまう部分」では、少し自分と重ね合わせてしまうところがありました。

もしかすると、恋愛に夢中になった経験がある方は、共感できるポイントがあるかもしれません。

純粋な愛と、過度に依存した愛は、ひょっとしたら紙一重なのかもしれない

と思いました。

そして、その感覚は人によって違うというところも、付き合っていくうえで難しい点だなと感じます。

「人を想う距離感」は「人を想う」という経験を何度かしないと掴めないものだと思います。

この人しかいない!!

一人の時間もほしい

この本は、最初の内容からは想像がつかない終わり方になっています。

ラストが近づくにつれて、ページをめくる手が止まりませんでした。

「何度か経験して相手との距離感をつかめるようになった人」、「何度も同じ経験をしてしまう人」「恋愛に興味がない人」いろんな方に読んでほしい1冊です。

こんな人におすすめ

・普通の恋愛小説に飽きてしまった
・予想外の展開が好き

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雨心中:唯川恵

次に紹介するのが「雨心中」です。

様々な登場人物がおり、それぞれに複雑な背景がありますが、メインとなるのは同じ養護施設で育った「周也」と「芳子」です。

その2人がどうなっていくのか…いろんな人との出会いで、それぞれが置かれる場所が変わっていきます。

恋愛とも家族愛ともいえない、なんとも形容しがたい愛を感じる物語です。

裏社会の人物なども登場するため、アンダーグラウンド系が好きな方にも刺さる内容だと思います。

いろいろな見方があるかもしれませんが、私は、この本の2人は共依存のような関係性だなと思いました。

傍から見ると「終わりがない地獄」に見える光景でも、本人にとっては「幸せな地獄」なのかもしれません。

この本は、

人間の持つ愛情や温かさの裏にある怖さ

が感じられます。

人を大切にするうえで、「自分ありきの相手」って、きちんと自覚することって、大切なのかもしれないと思いました。

自分と相手の境界が薄れてしまうと、自分も相手もダメになってしまう…

それってとても怖いし、せっかく持てた愛情を潰してしまう感じがして勿体ないなって思いました。

読んでいる中で、「その道を選んだら破滅に向かいそう…」と思いながらも、その方向に進むことを応援したくなってしまう気持ちになるシーンがいくつもありました。

その道を選ばないほうが安全なのに、選びたくなってしまう気持ちが分かる…

その一方で、徐々に体の毒が抜けていくような感覚で、少しホッとできる場面もあります。

その相対する感覚がクセになりながらも、「周也」と「芳子」の関係性そのものが、その感覚に現れているように感じました。

本の中で印象に残ったのが、

この世の中に、自分のものなんて何もない、この身体さえ、自分のものではなく神様のものだ

―――雨心中(唯川恵)

という言葉です。

この本の趣旨とは少しずれてしまうかもしれませんが、

自分の身体は借り物だと思いなさい

というワードを別の本で読んだことがあり、それとも重なる部分があると思いました。

自分の身体が借り物だと思うと、

  • もう少し自分のことを丁寧に扱わないといけない
  • 自分の身体すら自分のものでないとしたら、他者のことなんて自分のものにできるはずない

という2つのメッセージが読み取れるように感じます。

終始、閉鎖的な空間で、読んでいると苦しくなります。

こんな人におすすめ

・人の感情を丁寧に読みたい
・愛情の裏にある苦しさを感じられる小説が読みたい

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ナラタージュ:島本理生

次に紹介するのが、ナラタージュです。

この本は、今回紹介する本の中で1番、恋愛色の強い物語です。

あらすじとしては、1度忘れようと思っていた高校教師からの突然の連絡。

思いを寄せていた過去を振り返りながら、気持ちを再認識してしまう主人公。

その先の結末は…?

といった内容です。

この物語は、

気持ちを切り替えようと思っても、それが難しい…

という、人間味が感じられる内容です。

新しいステージに立つためには環境を変えないと…

今の環境は自分にとってよくない

と思っていても、そこに愛情や愛着があると、なかなか離れることができませんよね。

その理屈では分かっているけど、本当の意味で理解できない、という難しい感情が物語全体を通して感じられました。

また、人の危うさが感じられる描写もいくつも見られました。

この危うさは不安や孤独が影響しているものだけでなく、

他者を拠り所にすることで起こる危うさ

も含まれます。

人と一緒にいると強くなれるけど、弱くもなってしまう…

この矛盾した感覚も味わえます。

焦っていると難しいことかもしれませんが、気持ちに余裕を持って進んでいきたいなと思うようなシーンもありました。

気持ちに余裕がないと、それが行動にも出てしまい、視野も狭くなってしまう…

うまく進まないときには、ひと呼吸置くことって大切だと思いました。

深呼吸が大事

この本で印象に残った言葉は

たとえ誰かのせいで不幸になったとしても、人間は基本的に自由なんだから、その不幸から抜け出せばいいんだよ。死ぬまで誰かのせいにしていたら、なんのために生きていたんだか本当に分からなくなる。

ナラタージュ(島本理生)

です。

この言葉は、すべての人に当てはまる言葉ではないし、簡単に人に言える言葉ではないと思いましたが、自分の心の中に置いておく必要があるワードだと思いました。

感情も環境もある意味、自分の力で変えられる

どんなに暗い環境でも、自分次第で変えられるという、明るい言葉のように思いました。

読み終わった感覚が人によって違うようで、

これは純愛!!

と感じる方もいれば、

うーん…

と思う方もいるようです。

私は、どちらかというと、後者でした。

うーん…

読んだあとの感じが人によって違うので、

  • 読書後に人と意見を交わす
  • ネットで感想を調べる

という楽しみがあります。

モヤモヤした霧に包まれているように感じた1冊です。

こんな人におすすめ

・割り切れない人の感情を理解するのが好き
・読書後の感想を調べたり伝えるのが好き

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読書は自分の気持ちを知るきっかけにも

今回は、どこか苦しい愛の物語を紹介しました。

読んでいると苦しくなってしまうことがあるかもしれません。

しかし、このような物語が、時には「自分では理解できなかった気持ちと向き合うきっかけ」となることがあります。

物語を通して登場人物の気持ちを読み込むと、客観的に受け取ることができます。

それが、ご自身では気づかなかった「気持ち」や「感情」の出会いになれば嬉しいです。

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