今回は女性の心情が丁寧に描かれているおすすめの短編集を4冊紹介します。

読みやすい短編小説を探している

女性の心情が丁寧に書かれている物語が好き
という方におすすめしたい本を選びました。
な本を紹介しています。
| 今の気分 | おすすめの本 |
|---|---|
| 独特な世界観を味わいたい | 丸の内魔法少女ミラクリーナ:村田沙耶香 くちなし:彩瀬まる |
| 心強い味方がほしい | おまじない:西加奈子 |
| 繊細な気持ちに浸りたい | くちなし:彩瀬まる 号泣する準備はできていた:江國香織 |
| 寂しい夜のお供がほしい | 号泣する準備はできていた:江國香織 |
丸の内魔法少女ミラクリーナ:村田沙耶香
| 独特な世界観に触れたい | |
| 心強い味方がほしい | |
| 繊細な気持ちに浸りたい | |
| 寂しい夜のお供がほしい |
1冊目に紹介するのが「丸の内魔法少女ミラクリーナ」です。
この本には4つの短編があり、独特の世界観に引き込まれます。
「ありそうでなさそうな話」や「本当にあるかも」という話が入っており、どの短編も目が話せませんでした。
どの物語も全部紹介したいくらい好きなのですが、特に印象に残っているのが「変容」です。
これは「怒り」が過去の産物をして扱われており「怒るのはお年寄りくらい」なんて言われている世界が舞台になります。

「怒る」って何?
主人公は40代の女性であり、その風潮についていけない自分やその社会に違和感を覚えていき…といった内容です。
私もちょっと前まで「怒る」という感情があまり沸かないタイプでした。
今は普通に怒りの感情が出ますが、この物語を読んで、「そういう未来もあり得るのか…?」と少し思ってしまいました。
現代であまりよしとされていないことが消えていったらどうなるんだろう…という感覚を持ちながらも
昔と今を比べると「なくなりつつあること」ってたくさんある
って思います。
例えば、「今の若い人は結婚しなくなった」とか「子どもを持たなくなった」とか。
時代によって「価値観」が変わっていきます。
私もその変容した価値観についていけなくなる日がくるかもしれない…そんなとき、どう思うのかなあと感じました。
ついていけない社会の価値観に寂しさを感じるかもしれない…
だけど、その寂しさを若い人たちに負の感情としてぶつけたくないなと思ます。
自分も価値観が違う相手に対しても負の感情をぶつけないようにしたいし、「自分が絶対に正しい」と自分の正義を相手に押し付けないようにしたいです。
ラストにかけて読者が置いてけぼりになっていく感覚を持つのですが、その感覚が「時代についていけなくなる感覚」と同じような感じなのかなと思いました。
相手を理解したいのに相手の言っていることが分からない…
そんな寂しい感情を抱きます。
生きた時代が違う人たちお互いが尊重し合えれば寂しさはなくなるのかなと、社会の価値観や時代が違う相手との関係性を考えさせてくれる物語です。
短編全部を通していえるのが、「自分だけおかしいの?」という孤独感です。
そんな誰でも感じたことがある孤独感、そしてその孤独との向き合い方について考えるきっかけをくれる小説です。
おまじない:西加奈子
| 独特な世界観に触れたい | |
| 心強い味方がほしい | |
| 繊細な気持ちに浸りたい | |
| 寂しい夜のお供がほしい |
次に紹介するのは「おまじない」です。
こちらは全部で8つの短編が入っています。
文庫だとどのようなデザインになっているのか分からないのですが、ハードカバータイプの本は表紙をめくるとカラーの迫力あるイラストが表現されています。

イラストも楽しめる♪
それぞれの物語にイラストが載せてあり、「これがこの物語のイメージなのかな」と、文章以外の情報から物語を楽しむこともできます。
イラストも印象的な本は珍しいですよね。
どの短編も読んだあとに少し考えさせられる作品が多かったように思います。
そのような中でも「孫係」は少し、なごやかな気分にさせてくれるです。
この作品では「孫」の視点からみた家族の様子が描かれていて、子どもから見た家族の関係性が素直な感じに表現され楽しく読むことができました。
「家族」といっても、お互い価値観は違うため、ある意味気を使う場面もあるよねって少し共感できる部分がありました。

親しき仲にも礼儀あり…
そして家族だからこそ「いい子でいなくちゃ」と気を張る場面ってあるよなって思います。
そんな中でも理解してくれる人が近くにいてくれるだけで気持ちが救われますよね。
理解してくれる人が近くにないと、すごく寂しいです。
話せる相手が近くにいるということは、とても幸せなことなのかもしれません。
どの作品も生きていくうえでの「おまじない」になりそうな手元に置いておきたい内容です。
くちなし:彩瀬まる
| 独特な世界観に触れたい | |
| 心強い味方がほしい | |
| 繊細な気持ちに浸りたい | |
| 寂しい夜のお供がほしい |
次に紹介するのは「くちなし」です。
こちらは全7編の短編集で、ほとんどの作品で個性的な世界が表現されています。
リアリティともファンタジーと言い切れない、現実と非現実の境界が曖昧な感覚を持ちました。
中でも「けだものたち」が印象的でした。
この作品は
分かり合いたくても分かり合えないもどかしさ
を感じさせます。
この物語の中では「男性が動く時間」と「女性が動く時間」が分かれています。
そして男性は女性よりも小柄です。
その他にも興味をひかれる設定があるのですが、世界観が詳細に描かれており現実味がない状況であるにも関わらず、一気に物語の中に入り込めます。
終始、不穏な雰囲気に包まれているのですが、
- 分かり会えないけれど分かり合いたい
- 心細いけれど切り離せない同盟
のようなものを感じました。
第三者的な視点で物事を考えるのと、当事者になって物事を考えるのには乖離があることを改めて考えさせてくれる作品です。
他の視点から物語を読むのも楽しそうだなと思いました。
どの作品も根本に「人間が持っている暗さ」を感じられるのですが、その中に儚げな美しさがあります。
個性的な世界の中を通しても、共鳴できる主人公たちの心情に心が揺り動かされる作品です。
号泣する準備はできていた:江國香織
| 独特な世界観に触れたい | |
| 心強い味方がほしい | |
| 繊細な気持ちに浸りたい | |
| 寂しい夜のお供がほしい |
最後に紹介するのは「号泣する準備はできていた」です。
全12編の短編小説が入っています。
それぞれ、大きな出来事が起こるというよりは、1つの状況の中で主人公の心の動きを読むという楽しさがあります。
この作品は他で紹介した作品とは違って男性視点の短編もありますが、ほとんどが女性が主人公の女性視点の物語です。
この作品全体を通して、
人と一緒にいるのに、どこか寂しい気持ちになる
ときのことを思い出しました。
家族、友だち、恋人…一緒にいるのに、物足りなさを覚えたり、孤独が埋められない…そんな感覚を持ちます。
そんな寂しい感覚を少しでも和らげるために言葉を使って相手との距離を縮めようとするけれど、それでも距離は縮まらない…むしろ遠くなっていくように感じる…そんなとき、どうしたらいいんだろう?
と思いました。
結局は自分の問題であり、その問題が解決できないと本当の意味での「孤独」は解消できないのかもしれません。
ただ、その問題に気づく力と強さを持つのって難しいなと思います。
この作品はゆったりした余白を楽しみたい方にもおすすめです。
どの作品も、静かな寂しさに包まれるような内容で、ちょっと寂しい夜に読みたい1冊です。
本を読むことが自分の気持ちに気づくきっかけになることも
今回は女性の心情が丁寧に描かれているおすすめの短編集を紹介しました。
なんとなくモヤモヤしているとき…
本の主人公たちが自分の気持ちを代弁してくれることがあります。
日常で見逃しがちな繊細で小さな気持ち、本でキャッチしてみませんか?



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