文部科学省の調査報告書をもとに不登校の実態について考える

不登校
記事内に商品プロモーション(Amazonアソシエイト等)を含みます

・不登校について知りたい
・データを見てもよく分からない
・最新の情報が知りたい


この記事から分かること

不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書から読み取れる、不登校の実態


「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の内容と自身の不登校体験を織り交ぜた記事については【令和4年度不登校の実態】文部科学省の調査を実体験と交えて考察で読めます。


文部科学省では、「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」を実施しています。

この調査では、不登校の児童生徒と、その保護者を対象に学校を休んでいる間の状況などについての統計が発表されています。

文部科学省は、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」という調査も実施しているのですが、こちらは不登校だけではなく暴力行為・いじめ・自殺などの状況を含めた調査です。

そのため、「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」は、より不登校に特化した調査だと考えられます。

今回は「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」について気になった部分をピックアップし、不登校を経験した私が個人的に考えたことを紹介します。

本記事で紹介している考察は、私個人の考えだと認識していただけると幸いです。

小学生の頃にも不登校傾向があった割合が約半分

中学生の不登校生徒を対象に調査

小学生のときに1年間に約30 日以上を欠席したことがあると回答した生徒は47%

不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書(文部科学省,2021)


令和4年度の調査報告では、不登校の生徒(中学生)のうち約半分が小学生のとき年間30日以上の欠席を経験していると回答しています。

私自身も、学校に通えなくなったのは中学生からでしたが、小学生の頃から学校に対する苦手意識がありました。

時期や学年によっては、30日以上欠席をしていたこともあったと思います。

もともと苦手だった学校が、年齢を重ねるごとにもっと苦手に感じてしまう…

このことから、小学生のときに不登校の傾向がある児童に対しては、今後も支援が必要になるかもしれないという視点が必要なのかもしれません。

一度、学校を休んでも再び登校できるようになると、周囲は安心するかもしれませんが、本当の問題は解決できていないこともあるかもしれません。

中学生になって不登校が表面化することも

最初に学校に行きにくいと感じるのは中学1年生

不登校の中学生を対象に調査

最初に学校に行きにくいと感じた学年は中学1年生と回答したのは34.8%

不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書(文部科学省,2021)

中1ギャップという言葉もあるように、中学1年生は変化が大きい環境です。

これまで何とかなっていた

・人間関係
・勉強

などが、より複雑化して、ついていくのが大変な生徒が出てくる時期なのかもしれません。

不登校の生徒を対象にした調査では、「最初に学校に行きにくいと感じたのは中学1年生」と回答した生徒の割合が最も多いことが分かりました。

他の学年に関しては、以下のグラフに示しています。

不登校の中学生を対象にした調査

令和4年度不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書(文部科学省,2021)

大まかではありますが、学年が上がるごとにパーセンテージが増えているように見えます。

やはり、学年が上がるごとに不登校支援の必要性が高くなっていくのかもしれません。

不登校の生徒には、学年があがるにつれて学校に行きにくいと感じる生徒が増加する傾向がある

体の不調がきっかけで学校に行きにくいと感じる

不登校の中学生を対象にした調査
身体の不調がきっかけで学校に行きにくいと感じるようになったと回答したのが32.6%

令和4年度不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書(文部科学省,2021)

【どうして不登校に?】中学時代に不登校になった5つの理由でも紹介しているのですが、私も体調不良がきっかけで学校に行きにくくなった1人です。

当時のことを振り返ってみると、私の周りでも体調が不安定なことで長期間欠席が続いていたり、保健室に登校している友だちが何人かいました。

体調不良の原因が「登校すること」にあることも多く、

仮病なんじゃないか

と理解されない点がつらかったです。

同じ年代の生徒から理解を得るのは難しいのかもしれませんが、せめて学校の先生や親には理解してもらいたいというのが当時の心境でした。

自分の周りに誰か1人でも、「どうしようもない体調の悪さ」を理解してくれる大人がいると心強かったかもしれません。

身体の不調が学校の行きにくさにつながることがある

当事者だった私が感じたこと

今回は「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」について、気になった部分をピックアップし、不登校を経験した私の考察を紹介しました。

今回は中学生の調査結果に焦点を当てましたが、小学生にも同様の調査を実施しています。

統計を見てみると、中学生の回答とは異なる部分もあり、年代によっても必要な支援が異なることが考えられます。

中には、発達の過程で支援が必要な児童や生徒もいるかもしれません。

不登校だからこの支援をすればいい

ではなく、それぞれに合った支援を受けられる環境が広がっていくと安心できると感じました。

参考文献

文部科学省(2021)不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書,https://www.mext.go.jp/content/20211006-mxt_jidou02-000018318_03.pdf.

コメント

タイトルとURLをコピーしました